一体――何が――!?
思った时には、细い触手の先端が、恐怖と期待に震える乳轮の外郭へと辿りいていた。
冷笑する魔族が颚をしゃくるよりも寸分早く、触手の先端で蠢く细指は、ディルトの鋭敏な肌の上へと地した。
「さァて、それじゃあたっぷり可爱がってもらえよなァ…!」
「く、や、やめ…ろォ…ッ!!」
惊愕に身体を强张らせたディルトに向かって、格子の向こうで声がする。
あんな……あんな『モノ』で……!
薄く嗤う魔族の声を闻きながらも、ディルトは自分の胸元を见下ろさない訳にはいかなかった。
袭い挂かったあまりの快楽に、ディルトは愕然と目を见开いたまま息も忘れて戦栗する。
こんな、こんなほんの仅かな……ただ、胸元を触れるか触れないかの动きで触られただけだというのに――!
焦燥に駆られた瞬间に、身体の表面では新たな侵略者たちが更なる追撃を行わんと手ぐすねを引いて待ち构えている事に気が付いて、ディルトはぞっとしながら身体中の産毛を逆立たせた。
「や、やめ――ッ!!」
「な、なん……ッ?!」
だが、できる事はそれだけなのだ。
これ以上、身体をまさぐられたりしたら――!
「く、あッ!!」
「!!」
だが、今のディルトには、そんな声に返答するだけの余裕は残っていなかった。
「へへへ、お前がどう思ってたかは知らねェが――ソイツの本性はケツの穴に入り込む、程度なんて可爱いモンじゃあねェからなァ」
「ッ……!!」
硬い岩肌を打った甲高い悲鸣に、魔族たちは満足そうに頬を歪めてディルトを见ると、吊り上がった唇の端を尚も吊り上げほくそ笑む。
想像して、焦りに脉拍が跳跃したと、ほぼ同时、ディルトの左侧の胸へと这い寄った太い触手は、とうとうその先端から伸びる细くうねうねと跃动する无数の指先によって、期待に震える小さな円周の外轮を抚で上げたのだ。
触れられた瞬间に、狭牢の空间中に充満する程の高い声音を张り上げて、ディルトは背中をしならせ跳ね上がっていた。
自身の両眼の前で缲りげられていく现実に、ディルトは掠れた声を张り上げ抗った。
抵抗の途中に粟立つ乳轮に细い食指を这わせるように伸长されて、ディルト
しかし、その事についてディルトが深く考える时间は与えられなかった。
ディルトの硬直した视线の先……左侧の乳轮へと这い寄るテールの太干の先端では……太さ数ミリにも満たない细かな触手が、粘液を滴らせながら无数に蠢いていたのである――。
なぜなら――。
今にも高らかに下卑た嗤いを响かせそうな、卑劣で品の悪い、掠れた声――。
「くうッッ!!」
触るか、触らないか――ほんの仅かな接地によって、ディルトの喉奥からは悲鸣じみた娇声が沸き起こる。
惊愕の悦びをディルトの肉体に深く伝达した第一打目が袭来した後、彼を待ち受けていたのは、安堵でも休息でもなく……更なる细指たちの追撃だった。
「ッ!」
なんだ――!これは――!!
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「く、あ――ッ?!」
「や、やめ…ッ!やめ……ッくうッ!!」
「くくく…!ほォら…!そろそろテールちゃんも本领発挥ときたらしいなァ…!よかったじゃねェか勇者サマよォ…!!ほォら、见てみろよ。どうだァ?见るからに気持ちヨさそうな……『触手』だろォ?」
「ッ!!」
与えられたのは、想像よりも、ずっとずっと鋭利な刺激――いや、快感。
「ま、それの本性がどういうモンかは……これから身を持ってタップリ知ってくれよなァ、勇者サマ」
「クククククッ!!イーイ声だなァ!!勇者サマ!!」
这い寄る触手の粘液を引きずる钝い音色に、苍白となったディルトが无意识のうちに脊髄反射で胸元を覗くと、そこでは予想を絶する光景が缲りげられようとしている最中だった。
「ッあ!?」
ほんの微かに、乳轮の外侧を试すように抚で上げられたそれだけで、ディルトの全身は粟立つように鸟肌を立てながら、途方もない悦びの中心へと叩き込まれた。
「ッ――!!」
卑猥な妄想を否定しようと头を振っても、いくら现状を打破しようと身をよじっても、目の前で起きている事実は変える事などできないのだ。